ここみちノート

プロコーチ・けいこの、散歩中、お風呂の中、夜眠る前、心の向くまま・導かれるまま、ふと思いついたことの雑記帳

心理的安全性のつくり方

今週は、内輪のミーティングが多い1週間でした。

新型コロナの脅威が高まりつつあるご時世ということもあり、すべて自宅からzoomで、さすがにちょっと肩と首が凝ってきた感じもあります。

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(イラスト:Freepik - jp.freepik.com によって作成された technology ベクトル

 

これらのミーティング、とても心理的安全(Psychologigal Safety)を感じながら参加できていました。

何がそうさせているのかなぁ、と思うと、いろいろ思い浮かぶのですが、ひとつ私たちに関して特徴的なのが、

「今この瞬間の自分の声を出せる」

「変化している自分も、メンバーから受け止められている」

ということではないかな、と思います。

 

私たち人間は、刻一刻と変化している。

 

この事実、世の中では意外と忘れられているのではないか、と思ったりします。

 

昨日提案したアイディアについて、やっぱり気が変わった。

他にもっといい案を思いついた。

ミーティングの冒頭ではこう思ったけど、終盤の今はこう感じる。

前に手放した役割を、またやってみたくなった。

 

自分自身の中で何かが変わることもあれば、

誰かの話を聞いて影響を受けることもある。

新しい情報や、世の中の動きを知って考え方が変わることもある。

 

とても自然なことです。

 

けれども、現実にはこんなことがよく起きているようにも感じます。

 

例えば、こんな思考で、自分自身の考え方や行動を縛っているケース。自分でも経験あります。

一度決めたら安易に変えてはいけない。

決めたことはやり遂げなくてはならない。

自分の意見を変えたら、それは負けたということだ。

 

そういう思考は、実は、周囲の不寛容さがそうさせているのかもしれません。

方針を変えれば、

朝令暮改と責められる。

日和見的だと非難される。

「この前はこうだと言ってたじゃないですか!!!」と、新しい案を聞いてもらえない。

 

こういう雰囲気がチームに起きる背景には、組織内の経営陣、株主、顧客・消費者、さらにはメディアや評論家など、そのチームの外の人たちも、一役買ってしまっているとも思います。

 

変化しつつある中の「今」を聴く

 

「今」の自分を聴いてもらえない、って、とても悲しいことです。

目の前の人が、過去の自分を見ている、 っていうことですから。

1分でも、1秒でも人は変化します。

「今この瞬間」のその人を見ていないなら、どれも全て、過去のその人を見ているということです。

 

そのチームにとっても残念なことです。

進化する人から提供されるものを受け取れないっていうことですから。

 

さらに言うと、そういう場では、気軽に声を出すということができなくなると思います。

よくよく考えて、いろいろ先を見通して、これだと確信できるまで発言しなくなってしまいます。

部下だけではありません。

上司だって、いえ、上司こそ、部下から非難されると思えば、軽々には思いつきを口にできません。

 

皆がこういう姿勢でいると、ミーティングはまるで死んだようになってしまいます。

 

今この瞬間から創る

 

コーチとして日頃から

「今この瞬間から創る(Dance in This Moment)」(コーアクティブ・コーチング®︎の礎の一つ)

という筋力トレーニングを続けている私たちのミーティングでは、

それぞれが、「今」思うこと・感じることを言葉にしていきます。

話す内容がはっきりしていないときでさえ、話しながら、言葉を紡ぎながら、自分の内側にあるものを表現してみようとします。

途中で意見が変わったならば、それもそのまま出してみる。 

 

そして、聴く側の姿勢もとても大きく貢献しています。

相手の「今」を聴くためのスペースをゆったりととります。

あ、さっきと言うことが変わったな、と思ったら、

そこに評価や判断を下すのではなく、そっか、変わったんだな、と「今」のその人を聴く。

そこから、また自分自身の思考もアップデートしていきます。

それらの姿勢は話し手に伝わります。

 

だから、リアルな声が出せる。

 

すると、他の人の中の何かが刺激されて、また別の声が出る。

 

まるで、湖の中に、言葉が投げ込まれていくみたいに。

あるいは、何が出来上がるかわからない箱の中へ、いろんな材料を投げ込むみたいに。

 

そうしていく中で、自然と、全体として進む方向が立ち現れてきます。

そこに全体として合意したとき、当初は違う意見を出していたとしても、何ら責められることもないし、下に見られることもありません。

多分、誰がその案を出したかも、誰も気にしていないし、覚えていないことも多いと思います。

全員がリソースを提供して、全員で決めた、という感覚になります。

 

このプロセスは、お互いが準備してきた案を戦わせるというスタイルよりも、はるかにダイナミック。

お互いが聴き合って、皆でその場からつくっていく。

眠っている暇などありません。自然とエンゲージメントも高まります。

誰も一人では思いつかなかったアイディアに行き着くこともよくあります。

何人もの人が集まるミーティングの価値って、本来は、こういうところにあるのではないでしょうか。

 

これ、とってもエコだとも思います。

誰も無理していない感じ。

固執がなく、 エネルギーの滞りがありません。

空気が流れるように。

遠回りしているようで、実はど真ん中。とてもリッチです。

 

心理的安全性をつくるにはどうしたらいいのか、という質問、時々頂きます。

 

「今この瞬間から創る」というのは、一つの鍵だと、改めて思いました。

次に質問されたら、これをご提案してみようと思います。

 

そんな対話が、会社でも、家庭でも、どこでも起きていくと、私たちはもっと楽に、かつクリエイティブに生きることができると思います。

 

そんな社会を願って。

 

 

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