ワークショップなど参加していると、最初に「この場の合意事項」を決めることがよくあります。
これが「グランド・ルール」と書かれている場合と、「グラウンド・ルール」と書かれている場合があり、
ここに「グランド・ルール」と書かれていると、個人的にはすごく気になってしまいます。
(Free-PhotosによるPixabayからの画像)
原語で知る
英語で書くと、「Ground Rule」。
Oxfordの英英辞書にも、載っています。
ground rule
1) (usu pl) a basic principle.
2) (US) (in baseball) a rule adapted for a particular playing field.(p.503)
私としては、2)がとてもわかりやすいなと思います。
ワークショップのような場は、野球場ではないけれども、ある種一つのプレイグラウンド。
「この場ではこういうルールでやろうね」という約束事、という意味合いがわかりやすいなと。
グランド・ルールと書かれていてモヤモヤするのは、
それがgroundをグランドと読んでいるのか、
それともgrandから来ているのか、わからないから。
そして、私自身は、グランドと言われるとgrandを思ってしまうから。
grandだとしたら、その意味はこんな感じです。
grand
1) magnificent; splendid; big; of great importance
2) (a) large in scope or scale; ambitious
(b) proud and socially superior; intended to impress
3) very fine; excellent: (p.494-495)
(なお、上記の英英辞書には、grand ruleという言葉は載っていません。)
grand ruleと言われたら、
「素晴らしく、絶対超えられない、重要なルール」というニュアンスに聴こえてきて、
日頃から自由度のない決まりゴトを作られるのが嫌いな私は、なんだかとても嫌な気分になってしまう、あるいは
「すごいルール」みたいに聴こえて、ちょっと滑稽にも感じたりしてしまうのです。
確かに、日本では、校庭のことを「グランド」と言ったりしますので、ground rule=グランド・ルールと読むこともあるのかなと思いますが、
ゆえに、ウィキペディアや会議に関する各種の本ですらグランド・ルールと書いているのかなと思うのですが、
今や、日本語の辞書でも「グランド」と引くと「グラウンド」を参照するように指示される時代になりましたし、日本人の英語発音力を上げる意味でも、
グラウンド・ルールになっていくといいなぁと思っています。
(外国の方がいる場所でカタカナのまま、グランド・ルールと言えば、Grand Ruleに聞こえるだろうと思います。)
場の約束事を決める意味
ところで、どういう呼び方をするにせよ、ワークショップだけではなく、人が集まるところには、何かしら「その場の約束事」を決めておくことは、とても便利かつ有益です。
コーチングの場における鉄板ルールは「守秘義務」で、それがあるから、クライアントも安心して心の声を口にすることができます。
会議の場でもこういうものを決めておくと良いと思います。壁に貼ったりしておくとなお良いです。(zoomだとチャットに書いておくことになりますかね。)
例えば、とことんブレストするぞ!という日なら、「楽しむ」とか「何でもあり」とか「ダメ出し禁止」とか。
誰かがダメ出しし始めたら、気づいた人がその約束事を指差せば、また発散の場に戻っていけます。
一人一人の声を、他の人の発言に邪魔されることなくしっかり聴きたいような時は、「発言者が話し終わるまで聴く」なんていうのもいいかもしれません。
場の約束事は皆で決める
約束事は、一緒に約束するから、守られます。
自分で約束すると決めるから、守られます。
上司や会議の進行者が一方的に決めると、見えない反発が生まれたり白けた感じになってしまう事もあります。
提案はするけど、みんなで決める。で、みんなで合意して約束する。
さっと流してしまいそうな時間ですが、実は、これからの場をつくって行くための土台を作る大事な時間です。
また、この約束事を話している時にも、参加者の人たちが何を大事にしているのか、その価値観を知ることができる時間だったりもします。
もうこの段階から、会議は始まってる。
どんな小さな会議でも(例えば家族会議でも!)、これ、とってもおすすめです。
余談ですが、こういう場づくりの知恵は、コーチングを学んできて身についた副産物だなと思います。
CTIジャパンのコーアクティブ ・コーチングや、CRRグローバル・ジャパンのシステム・コーチングを学んでいく過程で様々な場づくりの知恵が身に染み込みました。
コーチ仲間の会議はオンライン丸一日でも、集中力切れず、笑いも沢山、生産性がとっても高いです。
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英英辞書は、とてもオススメです。