こんにちは。
プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチの畑中景子です。
今回は、ちょっと真面目な話。
「なぜコーチングを学ぶと良いのか?」
プロのコーチになることに関心がある方は当然として、
それ以外の方、つまりコーチ以外のお仕事をされている方や、今はお仕事に就かれていない方や、学生の方でも、
コーチングを学び、「コーチングスキル」と「コーチのスタンス」を身につけることは、人生において大きなメリットがあります。
と言いますか、これからの時代、どのような職種でも、「コーチングスキル」の有無と「コーチのスタンス」で人や物事を見ることができるかどうかは、仕事の質やキャリアに大きく関わると思います。
「コーチング」と聞いて、「部下をモチベートするもの」「人をやる気にさせるもの」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。
そういう流派もあると思いますが、私が実践するコーアクティブ®︎・コーチングでは、それは結果的に起きることの一部であって、それ自体は目的ではありません。
ここから先は、コーアクティブ®︎をベースに書いていることをご了承ください。
コーアクティブ(Co-Active)とは、「協働的」を意味する造語です。
コーアクティブ・モデルに基づいたコーチング。つまり協働的なコーチング。
「コーチをする側と受ける側がともに対等な立場で、互いの持っている力を存分に発揮し合いながら、望ましい変化を一緒に創り出していく、という考え方や関わり方」と、CTIジャパンの説明会などではご紹介しています。
太字部分がポイントと思います。
わかりやすい例は、会社・組織です。
少し前までの時代では、組織は基本、ピラミッド構造でした。
上層部の人たちが全ての情報を集約して、意思決定をして、指示を出し、ピラミッドの構成員全員で一丸となってそれを遂行する。
前提として、上層部が持っている情報の量と質に優位性もありました。
このやり方は、情報量も情報が流れるルートも限定的で、変化が少ない時代には、効果的です。
ですが、今は、環境の変化のスピードがあまりにはやい。
VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)という言葉もすっかり使い古された感があります。
情報量もあまりに膨大。
更に、意思決定すべきタイミングで最も有用・有益な情報を持っているのは上層部とは限らなくなってきました。
このような状況下では、上層部に情報を集約して全ての判断を求めていては、タイミングを逃しますし、上層部の方が常に的確な判断をできるとは限りません。
つまり、一部の人たちに全ての判断を委ねるのではなく、そこに関わる全員が、役割は違っても、それぞれの持っている力を最大限に発揮して、一緒に創り出していくことが必要になります。
より具体的には、“上司”や”先輩”だった人は、相手を対等な人間と見て、相手にも価値を見出していくことが必要になります。
”部下”だった人は、狭い担当範囲に閉じこもることなく、組織全体で起きることに当事者意識を持ち、相手が”先輩”・”上司”であったとしても、自分の意見を持って表現していくことが求められます。
この「協働する態度とスキル」は、とても普遍的です。
どんな組織でも必要です。
また、実は、これが求められるのは組織の内部にとどまりません。
・発注者と受注者、
・買う人と売る人、
・サービスの提供を受ける人とサービスを提供する人、
・先生と生徒、
・医者と患者、
・夫と妻、
・親と子、
これらの、一般的には/古くは、上下があると思われる関係の中で、引き続き役割をふりかざして上下の関係を持ち出す人は、おそらく相手が離れて行ってしまうでしょう。
役割は違うけれども、人としては対等な扱いを、誰もが求めているからです。
また、与える・与えられるという一方的な関係よりも、「協働して一緒に創る」ことの方がはるかに大きな成果をもたらします。
そして、何より、その方が、楽しくて、面白いです。
コーアクティブ・コーチングのセッションでは、コーチとクライアントが協働します。
この関わりができるようになると、その態度やスキルは、他の場所でも応用可能になってきます。
やってみるとわかるのですが、これは「どんな言葉をかける」とか「どんな質問をする」というだけの話ではありません。
自分自身のBeing(在り方、人間観、スタンスなど)がDoingと同じくらい重要です。
このBeingとDoingの両方をトレーニングすることにおいて、手前味噌ながら、ファカルティの一員を務めさせて頂いているCTIジャパンは、世界最高峰の誇りを持ってお届けしています。
この手法が20年前に日本に入ってきたときには、「あやしい」「ビジネスには不向き」などの感想を持たれる方もいらっしゃいましたが、時は流れて2020年代。
協働的な関係構築の価値は、ずいぶん広く認知され、おかげさまで、コースにも全国各地から、ときには国を超えて、ご参加頂いています。
(20年前、これを学ぶ人たちは本当に先駆的な方々で、先代のファカルティ(トレーナー)たちも、この価値を伝えるのに苦労されたと聴いています。ただただ敬意と感謝しかありません。)
新しい人との関わり方の可能性を、多くの方が体験されるといいなと思います。
ご関心持たれた方は、百聞は一見にしかず。基礎コースをぜひ体験されてみてください!
CTIジャパン:コース日程表
今日の写真は、岡本太郎記念館より。この方は、宇宙と協働されていましたね。
協働については、こちらのポッドキャストでも喋りました。合わせてご活用ください!
この記事は、週1でメール配信している「ここみち便り」の2021年4月28日号をリライトしたものです。ご登録はこちらから。
ここみち便り:登録フォーム http://eepurl.com/hbUP3P
リーダーシップ、コーチング、その他、お仕事や日常が充実するヒントなどを毎週水曜・お昼頃を目処に配信中。
自分で言うのもおかしいですが、なかなか面白いとか、役に立つとか、息抜きになるなどご好評いただいております。
響く記事がありましたら、シェア頂ければ嬉しいです。また、もしこのブログを読んで、ここで紹介されている本を購入しようと思われた際は、このブログ内のamazonへのリンクを経由して購入頂けると幸いです。数十円の話ですが、私にとって皆様が本に出会う際のお役に立ったことを知る機会となり励みとなります。
関連図書: