ここみちノート

プロコーチ・けいこの、散歩中、お風呂の中、夜眠る前、心の向くまま・導かれるまま、ふと思いついたことの雑記帳

感動は口にしてみたらいい

高松旅行での気づき、その2。

 

直島の地中美術館に入ると、まず「地中の庭」に沿って、美術館の建物に向かうことになります。

 

そのお庭は、まるで、フランス・ジヴェルニーにあるクロード・モネの自宅に造園されたお庭のよう。

散策路を歩きながら、一緒にいた父が「すごいきれいにしているなぁ」とつぶやいたところ、

緑を挟んだコンクリート舗装道路側から、「そう言って頂けるとと嬉しいなぁ」と男性の声。

  

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その声の方を振り向いてみると。

このお庭を造られた方だそうです。

お名前はお伺いしませんでしたが、歩きながら、7月から9月はハスの花が咲いて美しいこと、特に4箇所、モネの作品をイメージしている場所があることなどを教えてくださいました。

(その後、館内の関係者口から出入りされていらっしゃいました。)

 

たった一言のつぶやきで、美しい散歩道が、更に豊かな時間になりました。

説明をして頂けたということ以上に、美しいものを一緒に味わっているという豊かさ。

そこにかけられた愛情と手数を、改めて感じる豊かさ。

勝手ながら、このお庭を造られた方にとっても、その朝は良い朝になったのではないかと思います。

 

その一言から、つながりがうまれる

 

ひとり、じわっと感動しているのもいい。

 

でも、口にしてみるのもいい。

それによって喜ぶ人がいるなら、なおのこと。

 

だって、伝えなければ、あなたの感じている感動や感激は、その人には伝わらない。

伝えられて喜ぶ人、安心する人、自信を持てるようになる人、励みになる人がきっといる。 

 

そんな人を見たら、伝えた自分も、心を通わせることができた喜びや、自分の存在が誰かのためになっている喜びが湧いてくるはず。

それは自分の今日を生きる元気になる。

 

人間って双方向。与えるものは受け取るもの。

 

個人的には、洋服や髪型がとっても素敵だと思う日があったら、それも伝えたらいいと思います。

セクハラ防止の意識の高まりによって、とりわけオフィスでの発言には細心の注意が求められるようになってしまった昨今ですけれども、

気分良くさせて気に入られよう、あわよくば食事に誘い出そうという下心のある褒め言葉と、

本当に良いと思うもの・美しいと思うものに感動したから出てくる言葉の違いは、本来、男女共に聴き分けることができるだろうと思います。

 

使った言葉は自分に返ってくる

 

昨今、世の中には、批判や何かを問題視して取り沙汰するニュースや投稿記事に溢れています。

ハンス・ロスリング氏の「FACTFULNESS」でも書かれていましたが、「こんないいことがありました」「今日もいい一日でした」ということを取り上げても、さほど話題にならないからかと思います。

何か問題を指摘している方が、一見賢そうに見えるし、一見正しいことや意味がありそうなことをしているように見えるし、何より、簡単でもあります。

 

けれども、そういうニュースにばかり触れて、しかもそこに「そうだそうだ!とっちめろ!」と非建設的に同調していると、自分の心まで黒い何かが染み込んで来そうな気がしてしまいます。

 

タクシーに乗った時なども、「まったく、ここの渋滞はいつもひどい」と不満そうに言うのか、「今日の空はいい色ですねぇ」と言うのか。

同僚やママ友達とランチする時も、「全くあの人ったら困っちゃうわ」と言うのか、「気持ちのいい場所ね」「その髪型、素敵ね」と言うのか。

何をつぶやくのかによって、その先の会話の色も雰囲気も随分変わってくるのではないかと。

もちろん、心からの言葉でなければ意味がないですが。

なので、無理にひねりだすというよりも、ふと感じたことを、そのままに。

 

ドン・ミゲルルイス「四つの約束」の、一つ目の約束「 正しい言葉を使うこと」を思い出します。

 

私たちの言葉とは、私たちが創造する力。

言葉は、単なる音声や文字ではない。

言葉とは、力。表現し、コミュニケートし、考えるための力。

言葉は、それを通じて自分の人生の出来事を作り出していくもの。

正しい言葉を使うとは、言葉を愛を分かち合うことのために使うこと。

エネルギーを自分自身への愛と真実のために使うこと。

ここみち読書録より、一部略して再掲)

 

感動する心は美しい。

そこから発せられる声と言葉、それを発する表情は美しい。

そのエネルギーは、自分も、相手も、周りも、きっといい状態にしてくれる。

 

感動するものがない?

 

身の回りに必ずあるはずです。

季節ごとに様子を変える街の樹木、木で囀っている鳥、イスや机のカーブの角度、目の前の絵画、街のデザイン、街ゆく人・子供、誰かのペット、何だって。

 

どうしても、ない?

 

だったら、ちょっと仕事や家事を中断して、散歩でも、本でも、映画でも、スポーツでも、感度を高めるために出かけてください!

 

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