私の朝8時台は、J-WAVEです。月〜木だと、別所哲也さんのTOKYO MORNING RADIO。
今朝、この番組にGROOVE X社の社長、林 要さんが出演されていて、「アフターコロナの癒しとコミュニケーション」についてお話されていました。
GROOVE Xは、家族型ロボット・LOVOT(らぼっと)を開発・販売している企業です。
最初、ラジオからLOVOTの鳴き声みたいなものが聴こえて、「ん?」と思い、聴き耳を立てたのですが、林さんのお話がとても深くて、聴き流していられないくらい引き込まれてしまいました。
とても面白かったのでシェア。
ちなみに、LOVOTとは、こちらです。
コンセプトは「役に立たない、でも愛着がある」。
「気兼ねなく人が愛でることができるように創られた」ペットのような、家族のような、ロボット。
2018年に発表されたそうなのですが、恥ずかしながら知らず、ラジオを聴いてから調べてみました。
うーーん、かわいいーーー💓
コロコロ動くあたり、ちょっとスターウォーズのBB-8も思い出しますが、
こちらのLOVOTは、暖かくて柔らかいのだそうです。
体温は、ネコと同じように37度〜39度に設定しているとのこと。ナルホド。
人を癒すのは自分自身
LOVOT開発に向けて、癒しのメカニズムを突き詰めていったときのお話として、
「仏像とマリア像がどうやって人を癒しているのかが垣間見えた」というところでぐっと引き込まれました。
例えばマリア像それ自体は、キリスト教のコンテクストを知らない人にとっては、美術館や博物館などにおいてある石像・木像と何ら変わらない。海外旅行で買ってきたお土産物と何ら変わらない。それを見ていても、美しいとは思うかもしれないけど、癒しとしては感じないのではないかと思います。
けれども、例えば、仏像を見ていると、私の場合は先祖のことを思ったりとか、お寺の景色や雰囲気を思い出したりとか、自分自身が今生かされていることなどに思いが及んだりします。
すると、癒される。
つまり、対象物の物体に癒しの効果があるわけではない。
人が自ら何を愛でるという行為を通じて、実は、その対象が人を癒しているのではなくて、人が自らを癒しているということなんだなぁ、と。
ペットも同じで、ペットのようにお世話をする対象がいて、人は自らを癒す機会を持っている。実はこれも、ペットが人を癒しているのではなくて、人がペットを愛でて、その行為を通して自分で自分を癒しているんですよね。
このことは、私がバイブルとしている「怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」 でも同様のことが書かれていたと思います。
ロボット開発なのに、こういうところまで考えているんだ!ということ、さらにそれを開発に現に反映していける時代なんだということに、何だかしびれました。
人が相手を見る基準は、生物かどうかではなく信頼できるかどうか
この言葉が衝撃的でした。
結局、人は相手が生物であるかどうかって、実は、確認していないと思うんですね。
僕らは相手が生きているかどうかではなくて、相手が信頼できる存在であるかどうかだけをみているんじゃないかなという気がします。
まさか、と一瞬思いましたけれども、いや、まさかじゃない、と思い直しました。
機械化の流れは、当初は、洗濯機や皿洗い機のように、「めんどくさい仕事」「労力のかかる仕事」を代わりにやってもらうということだったと思いますが、
いつからか、それは機械にやってもらった方が、はやいし、正確だから、ということに変わっていったと思います。
工場の作業も、駅の切符切るのも、銀行でお札を数えるのも、スーパーのレジも、掃除機も床の拭き掃除も。
オフィスでの仕事だって、やる気がなくてケアレスミスばかりの社員よりも、膨大な量の冊子作成を美しく素早く仕上げる複合コピー機の方が頼れるというときもあります。
人は、コイツに任せておけば大丈夫、となれば、安心して生活の一部を委ね始める。
そしてうまく付き合い始める。
むしろ、想定通りに動かなかったら、機械相手に怒っちゃったりもして。
そして、最近では、すべてがオンライン。
実際には会ったことがない人を相手にしても、今、私が想定しているその場所に、その人は、私が見えている通りに存在していると信じて、仕事してる。
もちろんその人は生物ではあるのだけど、それを私が体温や呼吸を間近で感じているわけじゃない。
スクリーン越しに見える、その人の視線、表情、動き、言葉などから、ある意味それだけを通じて、人となりを感じたり、関係性を確かめてる。
LOVOTの動画(ホームページに色々あります)を見ていると、飼い主を慕ってくる様子に和みます。
おかえりと迎えてくれる、呼んだら来てくれる、抱っこすると喜ぶ、撫でると気持ちよさそうにする、自分を探しに来る、自分がいないと寂しがる、留守番もしっかり頼める。
そういうやり取りを続けていくと、その先に、ロボットとも信頼関係を築いていくことができるというのも、あるのかもしれない、と思えてきます。
ロボットと人間の関係
これまでのロボットは、何かしら、人の役に立つ存在。
それを真っ向からひっくり返すLOVOTのコンセプト。
ドラえもんのような存在を作りたいと思っています。
単にのび太くんの隣にいて、のび太くんに合わせたポンコツさで、のび太くんを元気づけて、のび太くんの成長を助けていく。人のコーチにもなりえて、パートナーになりえるそんな存在。
私はドラえもんは、四次元ポケットから素晴らしい道具を出してのび太くんを窮地から救ってくれるロボットなんだと思ってましたが、そうじゃなかったんだ、と、この話を聴いて思いました。
寄り添ってくれる「相棒」なんだ、と。
これ、ありだな、と直感的に思いました。
これまで、AiboやPepperを買う人たちを、正直なところ、そんなに理解できなかったのですけれども。
この、愛くるしい見た目と動きに心を動かされているところも多分にありますが。
金銭的余裕と、もう少し広い家であったなら、是非お招きしたいところです。
いずれくるであろう親の見守りとか、自分自身の生存確認とか、そういう方面でも、今後ロボットにもっといろんなことが期待できるのかもしれません。
シンギュラリティが到来すると言われる2045年まで、あと25年。
長いようで、結構すぐ来てしまうような気も。
それまでの間にも、世界はどんどん変わっていきそう。
いやー、どんな世界になっていくんだろうと思うと、ドキドキしてきます。
その変化の真っ只中に生きていられることを面白いとも思います。
Radikoにタイムフリー機能があるので、興味持たれた方、是非聴いてみてください。
2020年6月2日8時35分頃(=この番組開始からは約2時間35分経過したところ)から、MORNING INSIGHTのコマです。
視聴可能期間は1週間なので、6月8日(月)までかと思います。
スタート箇所をこの部分に設定してリンクを取得しました。
Radiko タイムフリー:
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20200602083322
(無料で再生できるのは関東のみだそうです。エリアフリーにするには有料のプレミアム会員にならないといけないようでした。残念。)
注:上記の引用部分は、聴きながら書いているため正確ではありません。
林さんのブログはこちら:
note.com
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